特殊清掃費用が払えない時の初動対応|3つの行動と負担軽減策でOK。

「連帯保証人に費用負担を求めたら、お金がないと断られた」
「遺族から相続放棄すると言われ、対応が分からない…」
「結局、費用は誰が負担するのか?」
突然のことに戸惑い、どう対応すべきか分からず不安を感じている大家様も多いのではないでしょうか。
費用を回収できず、すべて自腹になってしまうのではないかと焦るお気持ちは痛いほど分かります。
しかし、遺族に支払いを拒否されたからといって、大家様がすぐに全額を負担するとは限りません。
特殊清掃費用の支払い義務には、法律上の優先順位があるからです。
重要なのは、拒否された直後に慌てて残置物を処分したり、一方的に費用を請求したりしないことです。
たとえば「相続を放棄する」という発言だけでは法的に確定しておらず、思い込みによる行動が後々の法的なトラブルに発展しかねません。
まずは決まった順序に沿って、正しい初動対応を進めることが解決への最短ルートです。
本記事では、業歴17年・2,000件以上の施工実績を持つマインドカンパニーが、特殊清掃費用が払えないと言われた際の大家様の正しい対応について解説します。
- 支払い義務の優先順位と大家様が負担するケース
- 支払いを拒否された直後にすべき対応
- 特殊清掃費用の負担を軽減する方法
- 費用を払えないまま放置した場合のリスク
本記事を読めば、今すぐ何をすべきか、そして今後の費用負担への向き合い方が整理できます。
被害や出費を拡大させないためにも、ぜひ最後までお読みください。
まずは無料相談でお気軽に状況をお聞かせください。今抱えている不安を話すだけでも次に何をすべきかが明確になるはずです。

2008年より特殊清掃の現場に従事|特殊清掃2,000件超
一般廃棄物収集運搬会社で8年間の業務経験を積み、2008年から遺品整理・特殊清掃の現場に従事。
孤独死現場をはじめ、ゴミ屋敷、汚部屋、カビ・ヤニ汚れ、火災・水害現場の復旧など、累計2,000件を超える現場に対応しています。
IICRC国際資格認定 TCST(特殊清掃)/FSRT(火災復旧)保有(IICRC登録番号:70139861)
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特殊清掃費用が払えない場合、大家様はどうなる?
特殊清掃費用の支払い義務には法律上の優先順位があります。
遺族に「払えない」と言われても、大家様がすぐ全額を負担することにはなりません。
まず整理しておきたいのが、誰がどの順番で費用を負担するのかという点です。
| 対応者 | 主な責任内容 |
|---|---|
| 相続人 | ・遺品整理 ・清掃費用 ・原状回復費用(相続放棄で免れる) |
| 連帯保証人 | ・未払い家賃 ・原状回復費用(相続放棄しても責任は別途残る) |
| 大家様 | ・相続人と連帯保証人がいずれも不在 ・支払い不能の場合の最終負担者 |
上記の表のとおり、費用負担には①相続人→②連帯保証人→③大家様という順序があります。
ここで注意したいのは、「相続人」としての責任と「連帯保証人」としての責任は全くの別物であるという点です。
多くの場合、相続人である親族が連帯保証人を兼ねています。
そのため、遺族から「相続放棄をしたから払わない」と言われても、連帯保証人としての支払い義務は残るのです。
相続人全員が相続放棄を選ぶケースは、実際にそれほど珍しくありません。
過去の特殊清掃の実例では、親族と疎遠だったことを理由に遺族が相続放棄を選択したケースがあります。

この実例では、家主様が特殊清掃・遺品整理費用として379,080円を負担しました。
ただし、これは相続人・連帯保証人のいずれも費用を負担できない状況が重なった結果です。
連帯保証人の有無を早い段階で確認すれば、負担を防ぐ、あるいは軽減できます。
なお、支払い義務者の優先順位や料金相場についてもっと詳しく知りたい方は、関連記事『【孤独死の片付け費用】総額は?誰が払う?料金相場と内訳・安く抑える方法』も読んでみてください。

特殊清掃費用が払えないと言われた直後にすべき3つの対応
支払いを拒否された瞬間、大家様はまず何から手をつければ良いのでしょうか
ここでは、優先順位の高い行動から順に3つ見ていきましょう。
- 残置物の無断処分・清掃を控える
- 相続放棄が本当に成立しているか確認する
- 支払えないとの訴えが事実かを見極める
それぞれ詳しく解説します。
残置物の無断処分・清掃を控える
相続放棄の有無が確定するまで、大家様は残置物の処分や清掃に着手しないでください。
部屋に残された家財の所有権は、亡くなった入居者から相続人へ引き継がれます。
処分した後に「実は相続人のままだった」と発覚すれば、不法行為とみなされかねません。
実際に、大家様が独断で室内の荷物を処分し、新たな入居者を募集してトラブルになった例もあります。
一刻も早く原状回復を終わらせたいと焦るお気持ちは理解できます。
しかし、損害賠償などのリスクを避けるためにも、相続人・連帯保証人の意思確認が取れるまで現状を保存しておきましょう。
相続放棄が本当に成立しているか確認する
遺族から「相続放棄する」と言われても、その言葉だけで判断するのは危険です。
相続放棄は家庭裁判所での申述を経て、初めて法的な効力が生じます。
たとえば相続人が複数いる場合、全員が同時に手続きを終えるとは限りません。
一部の親族だけが検討中であるケースも多く、確認を怠ると法的な相続人に誤って費用を請求するトラブルが起こり得ます。
大家様ご自身でも、家庭裁判所に相続放棄の有無を照会する制度が利用可能です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会 |
| 照会できる人 | 相続人、利害関係人(大家様など) |
| 申立て先 | 故人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所 |
| 費用 | 無料(書類取得手数料や返信用切手などは必要) |
| 期間 | 約1週間〜数週間程度 |
| 主な必要書類 (管轄によって異なる) | ・照会申請書(家裁のHPで取得可能) ・被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票) ・賃貸借契約書のコピー(利害関係の証明) ・大家様ご自身の住民票(法人の場合は登記事項証明書) ・返信用封筒と切手 |
家庭裁判所によっては、「亡くなってから3ヶ月以内は照会を受け付けない」といった独自の運用ルールを設けていることがあります。
実際に手続きを進める際は、事前に家庭裁判所のWebサイトの確認をお勧めします。
口頭の申告で済ませず、公的な手続きが完了しているか事実関係の確認を徹底しましょう。
支払えないとの訴えが事実かを見極める
遺族の「お金がないから支払えない」という発言を、そのまま鵜呑みにすべきではありません。
費用負担を逃れたいために、あえて支払えないと主張しているケースも存在するためです。
一方で、本当に経済的な余裕がないご家庭もあるため、強硬な取り立ては控えましょう。
実際の交渉においては、分割払いや一部負担といった妥協案を提示し、双方が納得できる着地点を探っていく形が理想的です。
相手の実情が見えず判断に迷った際は、一人で抱え込まずに特殊清掃業者や専門家の客観的な意見を求めることをおすすめします。
費用の妥当性や、最低限どこまで清掃すべきかの判断に迷った際は、マインドカンパニーまでお気軽にお問い合わせください。
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相続放棄されたら特殊清掃費用はどう請求する?
相続人全員が相続放棄をした場合、大家様は家庭裁判所へ「相続財産清算人(相続人がいない遺産を整理する人)」の選任の申立てを行ってください。
相続人が誰もいなくなった財産は、管理者が不在のまま放置されてしまうためです。
事態を解決するためには、利害関係者である大家様ご自身で手続きを進めなければなりません。
無事に申立てが認められて清算人(遺産の借金返済と、残りの財産整理をする人)が選任されれば、故人の遺産から特殊清掃費用の請求が可能になります。
とはいえ、実際の申立てには必要書類の収集など、手間がかかるのも事実です。
具体的な手続きの流れや清算までのステップについて詳しく知りたい方は、関連記事『【大家様保存版】特殊清掃費用は相続放棄でも回収できる|請求から清算算まで』も読んでみてください。

遺品の「ネコババ」が特殊清掃費用の回収を妨げる問題
残置物の中にあった金品を遺族が無断で持ち去ってしまうケースも少なくありません。
遺品の無断持ち去りは、いわゆる「ネコババ」と呼ばれる行為で、特殊清掃費用の回収を阻む大きな壁となります。
残置物は法律上、相続人が引き継ぐ相続財産の一部です。本来であれば、売却するなどで費用の一部に充てることが可能です。
しかし、遺族の一部が現金化しやすい貴金属や現金だけを持ち出してしまうと、残された財産だけでは費用を賄いきれなくなる可能性があります。
このような持ち去り行為があったとしても、大家様の立場から事実関係を立証するのは困難です。
少しでも証拠を残すため、清掃や遺品整理に着手する前には、必ず室内の状況を写真や動画で細かく記録しておきましょう。
万が一不審な形跡を見つけた際は、早急に弁護士などの専門家へ助言を求めてください。
特殊清掃費用の負担を軽減する3つの手段
大家様が今すぐ確認や相談できる負担軽減の手段は、大きく3つに分けられます。
| 手段 | 内容 |
|---|---|
| 孤独死保険(家主型)の保険金請求 | 特殊清掃・原状回復費用の一部を保険金でカバー |
| 家賃債務保証の活用 | ・残置物撤去費用は保証対象になりやすい ・特殊清掃自体は対象外となるケースが多い |
| 特殊清掃業者の分割払い | ・業者によっては分割払いに応じる場合がある ・一括での用意が難しい場合はまず相談する |
ポイントは次の3つです。
- 加入済みの孤独死保険の保険金請求を確認する
- 家賃債務保証の残置物撤去費用としての活用を確認する
- 特殊清掃業者の分割払い対応を相談する
ここからは、各手段の具体的な内容を見ていきましょう。
加入済みの孤独死保険の保険金請求を確認する
大家様ご自身で「家主様向けの孤独死保険」に加入している場合、特殊清掃費用の一部を保険金でカバーできる可能性があります。
しかし、実際の補償範囲や保険金が下りる条件は、契約しているプランによって細かく異なります。
手元の保険証券や約款を用意したうえで、まずは加入先の保険会社や代理店へ状況を報告してください。
手続きから実際の受け取りまでは日数を要することも多いため、早めに問い合わせておきましょう。
家賃債務保証の残置物撤去費用としての活用を確認する
故人が家賃債務保証を利用していた場合、亡くなった入居者が契約していた保証会社へ対象範囲を確認してください。
一般的に、残置物撤去費用は保証対象になりやすい傾向があります。
一方、特殊清掃は対象外となるケースが多いです。保証会社ごとに補償範囲の線引きが異なります。
思い込みによるトラブルを防ぐためにも、遺族へ請求する前に保証内容を正確に把握しておきましょう。
特殊清掃業者の分割払い対応を相談する
業者によっては特殊清掃費用の分割払いに応じる場合があります。
一括での用意が難しい場合は、まず相談してみるとよいでしょう。
費用を用意できないからといって特殊清掃自体を先延ばしにすると、汚染や臭気が悪化して被害が広がるおそれがあります。
支払い方法の相談は、早い段階で行なってください。分割払いに対応できるかどうかは業者ごとに異なるため、見積もり時にあわせて確認しておくと安心です。
なお、大家様負担のリスクに備える孤独死保険について詳しく知りたい方は、関連記事『入居者の孤独死や自殺が補償される3つの「孤独死保険」や「見守り+補償付」』も読んでみてください。

特殊清掃費用を払えず放置するとどうなる?
費用が用意できないからといって特殊清掃を先延ばしにすると、時間の経過とともに被害が深刻化していきます。
放置しておくとどうなるかをまとめました。
| 観点 | 特殊清掃を実施した場合 | 放置した場合 |
|---|---|---|
| 汚染・臭気 | 専門技術でほぼ解消 | 悪臭が建材に浸透 完全な除去が困難 |
| 近隣影響 | 被害の拡大を防止 | 害虫や異臭が近隣へ拡大 |
| 資産価値 | 価値の下落を最大限に抑制 | 大幅な資産価値の下落 告知義務の長期化 |
| 法的リスク | 適正な手続きで原状回復 | 家主様への損害賠償リスク |
放置するほど被害は深刻化し、結果的に費用も膨らむ傾向があります。
孤独死の場合、資産価値は1〜2割程度下落するのが一般的です。また、賃貸物件の告知義務期間は概ね3年間に及ぶ点も押さえておきましょう。
原状回復費用の負担を巡っては、契約内容や状況次第で法的な判断が分かれる裁判例も少なくありません。
金額が大きい場合や遺族との交渉が難航しそうな場合は、早い段階で弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
なお、資産価値への影響については、関連記事『マンションで孤独死を防ぐ7つの対策と資産価値への影響』も参考にしてください。

交渉に強いマインドカンパニーが選ばれる理由
遺族や関係者との交渉が難航しやすい場面では、こちらの足元を見て不当な請求を行う悪徳業者に注意が必要です。
実際にマインドカンパニーへ寄せられた、川崎市中原区でのトラブル事例をご紹介します。
マンション(2LDK)4階のリビングで母親が孤独死し、死後10日で発見された事例です。
階下まで汚染が広がっていました。不動産管理会社に対応を任せたところ、リフォーム込みで970万円という見積もりが提示されました。
一度は別の特殊清掃業者が作業したものの臭いが取り切れず、死亡した部屋とは関係のない風呂場やトイレまで、全交換が必要と言われたそうです。
しかも、相続人である娘の承諾を得ないまま、管理会社はリフォーム工事に着手していました。
本来、専用の薬品やオゾン脱臭機を用いて正しく特殊清掃を行えば、汚染のない水回りまで解体する必要はありません。
事態の深刻さから、弊社からは被害の拡大を防ぐために急いで弁護士へ相談するようアドバイスしました。
このように、ご遺族や大家様に専門知識がないことをいいことに、不要な工事を迫る業者は少なくありません。
| 観点 | マインドカンパニー | 悪徳業者の事例 |
|---|---|---|
| 工事の着手 | 承諾を得た上で作業に着手 | 承諾を得ないまま工事着手 |
| 作業内容 | 必要な清掃・消臭のみを実施 | 無関係な部分まで過剰施工 |
| 見積もりの透明性 | ・作業実績ページで料金公開 ・明朗会計 | 内訳が不透明なまま過大請求 |
実際の作業事例は『特殊清掃970万円の見積に関する電話相談(川崎市中原区)』でも詳しく紹介しています。

大家様ご自身が不利益を被らないためにも、作業内容をごまかさず、双方が納得できる形で交渉を進められる業者選びが欠かせません。
特殊清掃費用の負担や業者選びでお困りの際は、お気軽にご相談ください。無料見積もりで実際の費用感がすぐに分かり、想定外の出費への不安を早い段階で解消できます。
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特殊清掃費用が払えない場合に関するよくある質問
特殊清掃費用の支払いについて、大家様からよく寄せられる質問にお答えします。
特殊清掃費用は分割払いできますか?
業者によっては、分割払いに応じる場合があります。
一括で費用を用意するのが難しい場合は、まず見積もり時に相談してみるとよいでしょう。
分割払いに対応できるかどうかは業者ごとに条件が異なるため、事前の確認が欠かせません。
遺族全員と連絡が取れない場合、どうすればいいですか?
遺族と連絡が取れない場合は、家庭裁判所への照会など公的な手続きを検討する必要があります。
相続放棄の有無を大家様自身で確認できる制度があるため、個人での連絡を諦めず専門家に相談しながら進めましょう。
手続きには時間がかかることもあるため、早めの着手が望ましいです。
ネコババされた形跡がある場合、証拠はどう残せばいいですか?
残置物の状態を写真や動画で記録しておいてください。
特殊清掃や遺品整理に着手する前に、部屋全体や引き出しの中まで撮影しておくと、後から状況を確認しやすいです。
証拠の扱いや法的な対応については状況により判断が分かれるため、弁護士に相談することをおすすめします。
費用が払えないからと特殊清掃をしない選択肢はありますか?
特殊清掃をしないまま放置するのはおすすめできません。
汚染の拡大や資産価値の毀損、損害賠償リスクを招くおそれがあります。
費用が用意できない場合は、孤独死保険の活用や業者への分割払いの相談を検討してください。
放置する期間が長くなるほど、状況はさらに悪化する傾向があります。
相続放棄の連絡から実際に確定するまでどのくらいかかりますか?
相続放棄の熟慮期間は、相続の開始があったことを知った時から原則3ヶ月以内です(民法915条)。
この期間内に家庭裁判所へ申述して、初めて手続きが確定します。
口頭で「放棄する」と聞いただけの段階では、確定したとは言えません。
個別の事情によって扱いが変わることもあるため、正確な状況は専門家への確認をおすすめします。
特殊清掃費用が払えなくても慌てず正しく対応しよう
特殊清掃費用の支払い義務には、相続人→連帯保証人→大家様という法律上の優先順位があります。
遺族から「お金がない」「相続放棄する」と言われても、大家様がすぐに全額を負担するとは限りません。
残置物の処分前に相続放棄の成否を確認し、「お金がなくて払えない」という訴えが事実かどうかもしっかり実情を見極めましょう。
孤独死保険や家賃債務保証、業者の分割払いといった負担軽減の手段を確認し、特殊清掃を先延ばしにしないことが大切です。
放置すれば汚染や資産価値の下落、損害賠償のリスクも広がります。ネコババの疑いや相続放棄の実務など判断に迷う場面は、早めに専門家へ相談しましょう。
特殊清掃費用の負担にお悩みの際は、お電話(0120-176-646)または無料お見積もりフォームからご相談ください。適正価格を知ることで、遺族との交渉方針を検討しやすくなります。
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