プロ伝授!特殊清掃業者の経験値を見抜く部屋別の確認方法
特に初めて孤独死に遭遇した場合は、リフォーム業者に頼めば良いのかな?ハウスクリーニング業者かな?
なんて困りながら探していく中で「特殊清掃業者」の存在を初めて知る方も少なくないでしょう。
「特殊清掃業者」の存在を知って、ここで一安心される方も多々いらっしゃいますが、それは大きな落とし穴の始まりかもしれません。
なぜなら「特殊清掃業者」全てが経験値と高い技術力が有る訳ではありません。
実はこれからアドバイスしたことを意識すれば、未熟な特殊清掃業者に頼んだばかリに、高い金額を支払ったのに腐敗臭は消えていない。など、業者選びでは失敗しません。
特殊清掃業者選びで押さえておくべきポイントをトイレ・バスルーム・洋室・和室と各部屋別に注意点をお伝えいたします。
読み終えていただければ今後、特殊清掃業者の実力を見抜くポイントが分かり、業者選びで悩むことはありません。失敗しない特殊清掃業者を選定する基準が分かるようになります。
トイレの特殊清掃で技術力の有無を確認すべきこと
トイレはユニットバスであっても住宅の中では非常に狭い個室です。そのため、孤独死が発生するとユニットバスでも便器の下には体液等が流れることが圧倒的に多いです。
したがって便器の下にウジ虫が発生することも多く、トイレでの孤独死現場は大半が便器の脱着を必要とします。
なぜなら便器を外さないと、便器下のウジ虫、体液等をきちんと清掃出来ないからです。
もちろん経験値高い特殊清掃業者は何度も何度も便器の脱着を経験しております。
便器の下は見えないから、便器の脱着は必要としないなんて、絶対にいい加減な考えの業者を選定してはいけません。
こんな手抜き作業が臭いが消えない原因であることが多いのです。
便器の脱着の有無と床の解体経験を確認する
特殊清掃業者のウェブサイトの作業事例を確認する際は、トイレの孤独死現場で便器の脱着が掲載されているのか確認しましょう。
もしそんな脱着シーンが掲載されていないなら、未熟な特殊清掃業者である可能性が非常に高いのです。
またユニットバスと違い、トイレとバスルームが別々のトイレ個室は非常に小さな個室のため、大半が壁の巾木に体液が到達して床下まで流れて汚染されることが圧倒的に多いです。
つまりこの場合は、便器を取り外し床を解体することが圧倒的に多いのです。
そんなトイレに床の解体シーンを特殊清掃業者の作業事例で確認しましょう。
もしトイレの床の解体シーンが見当たらないなら、それは未熟な特殊清掃業者である可能性が非常に高いです。
トイレの換気扇の分解洗浄を確認する
トイレは非常に狭い空間であり、腐敗臭は換気扇にも付着いたします。
そのためそんな腐敗臭を取り除くため、経験値高い特殊清掃業者は、必ず換気扇の分解洗浄を行っております。
逆に手抜き特殊清掃業者は、換気扇の分解洗浄をやらないことが多いです。
バスルーム(浴室)の特殊清掃で技術力の有無を確認すべきこと
バスルームもトイレ同様に住宅の中では狭い個室となります。浴室で孤独死が発生した際は、大半が浴槽のエプロン内部、排水溝、追い炊き式なら追い炊き式の配管など洗浄する必要性があります。
それには配管洗浄用の専用薬剤、エプロン内部には高圧洗浄機など専用機材が必要です。
残念ながら特殊清掃業者と言えど、このように必要な薬剤や機材を揃えていない事業所も多く、特殊清掃業者の選定の際にはウェブサイトを十分に見渡し、疑いの目で設備の充実さを確認する必要性がございます。
浴槽で亡くなった場合の特殊清掃の流れを知る事で業者に必要なスキルを知る
一般的には、ヒートショックなど浴槽で亡くなった場合の特殊清掃の流れは以下のようになります。
- 浴室内を除菌
- 浴槽内の汚水を組み上げる
- 浴槽内をタンパク質分解クリーナーで洗浄
- 浴室内を酸性、アルカリ性で洗浄
- エプロンを外し、高圧洗浄機で洗浄
- 高圧洗浄機や配管洗浄剤による排水口の配管洗浄
- 浴槽内の体液(脂分)をシミ抜き
- 追い炊き式なら追い炊き式配管洗浄
- 大腸菌やレジオネラ菌などの水質検査
- 脱臭作業
こうやって浴室で亡くなった場合の特殊清掃の流れを知ることで、業者に必要なスキルが見えて来ることもある筈です。
浴室も換気扇の分解洗浄を確認する
浴室は非常に狭い空間であり、腐敗臭は換気扇にも付着いたします。
そのためそんな腐敗臭を取り除くため、経験値高い特殊清掃業者は、必ず換気扇の分解洗浄を行っております。
逆に手抜き特殊清掃業者は、換気扇の分解洗浄をやらないことが多いです。
浴槽のシミ抜きの実力を確認する
孤独死現場の全ての浴槽がシミ抜きを完璧に出来るわけではありませんが、かなりな高確率で浴槽のシミ抜きは出来ることが多いです。
そんなシミ抜きの作業事例を確認する必要性があると思います。
浴槽の特殊清掃では最後に水質検査の有無を確認する
浴槽には大腸菌やレジオネラ菌などの水質検査を必要とします。
特殊清掃業者の料金表などを確認して、「浴槽の水質検査」の料金項目が無い場合、経験値の浅い特殊清掃業者である可能性が非常に高いです。
和室の特殊清掃で技術力の有無を確認すべきこと
和室は洋室と比較した場合、一般的に腐敗臭が取れづらいと言われております。
それは住宅構造が大きく違うからです。
和室は洋室よりも木の素材を使うことが多く、木は臭いを吸い込んでしまうことから腐敗臭が取れづらいと言われております。
— | 床 | 壁 | 天井 |
---|---|---|---|
和室 | 畳が多い | 土壁や砂壁、漆喰が多い | 目透かし天井、格天井など |
洋室 | フローリング・フロアタイル・CFなど | 石膏ボード+クロス張りが多い | 石膏ボード+クロス張りが多い |
畳が汚染された場合、畳下の補修能力を確認する
畳が汚染された場合、単純に畳だけを交換すれば良い状況は本当に稀で、大半が畳下の捨て貼りや更にその下のコントリートスラブまで汚染が広がっていることが多いです。
その際は木材の汚染個所を切り取り、コントリートスラブには防臭剤を塗布するなどの処置が必要です。
更に切り取った汚染個所の木材板を補修しなければなりません。
難易度が高い土壁や砂壁の対処方法を確認する
和室には土壁や砂壁を良く見かけます。砂壁や土壁は腐敗臭を吸着してしまうと、消臭剤の噴霧程度では消臭効果が薄く全く歯が立たないことが多いです。
そのため塗装による臭い止めか、土壁や砂壁の上にコンパネを上張りしてクロスなどで仕上げる2タイプの施工方法が一般的です。
土壁 | 砂壁 |
---|---|
下地から表面までを土でつくった壁のこと。土壁の原料には土のほか、藁などの繊維がある植物なども用いられている。 | 石膏ボートやモルタルなどの壁に糊と砂を練ったものを塗りあげたもので、和室や床の間などの壁に使われることが多い。 |
洋室の特殊清掃で技術力の有無を確認すべきこと
特殊清掃作業の中でもっとも難易度低い部屋が洋室でしょう。
その中でも「床暖房での孤独死」は比較的に難易度が高い作業でしよう。
経験値高い特殊清掃業者なら「床暖房での孤独死」を作業経験が多数ある
私事ですが、13年の特殊清掃経験の中で、「床暖房での孤独死」が20件以上は作業経験ございます。
したがって経験値高い特殊清掃業者なら、ウェブサイトの作業事例を見渡すと「床暖房での孤独死」は見当たることでしょう。
万一、「床暖房での孤独死」の作業事例が見当たらないなら、それは経験値低い特殊清掃業者である可能性が非常に高いです。
特殊清掃業者の設備を確認する
孤独死現場に必要な消臭技術は、能力と経験だけあればクオリティ高い作業ができる訳ではありません。
その前に自社の設備を充実させる必要性があります。
その会社の準備力を見れば、特殊清掃の技術力が見えて来ます。
まとめ
特殊清掃業者の経験値を見抜く方法を部屋別でお伝えしました。
もちろんこれ以上にも見抜く方法はたくさんあると思いますが、ウェブサイトを隅々で確認してほしいポイント、または見積で対面した際に「聞いてほしい確認内容」を解説しました。
あなたにとって特殊清掃業者選びの基準にしていただけたら幸いです。