原状回復費用の相場|1Kから3LDKの総額と入居年数別の負担割合

「原状回復費用の相場はいくら?」「入居6年や築20年は、どこまで請求できる?」と迷う大家様や管理会社様も多いかと思います。

孤独死やゴミ屋敷を除き、内装を張り替える一般的な退去なら、1Kで約14.7万円〜、3LDKで約52万円〜が目安です。

入居時が張替え直後なら、入居6年を超えるとクロスなどの借主負担はほぼありません。

この記事では、マインドカンパニーの料金表をもとに間取り別・部位別の原状回復費用の相場と、入居年数ごとの負担割合を解説します。

請求の手順、高額になる要因、見積もりの確認項目に分けて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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ヒドロ工法:特許第7525770号

MIND代表・鷹田
MIND代表・鷹田

2008年より特殊清掃の現場に従事|特殊清掃2,000件超

一般廃棄物収集運搬会社で8年間の業務経験を積み、2008年から遺品整理・特殊清掃の現場に従事。

孤独死現場をはじめ、ゴミ屋敷、汚部屋、カビ・ヤニ汚れ、火災・水害現場の復旧など、累計2,000件を超える現場に対応しています。

IICRC国際資格認定 TCST(特殊清掃)/FSRT(火災復旧)保有(IICRC登録番号:70139861)

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目次

間取り別の原状回復費用の相場

貸主が発注する原状回復工事の総額は、1Kで約14.7万円〜、3LDKで約52万円〜が目安となります。

なお、上記の金額はクロスと床の全面張替えを前提に、当社の㎡単価と独自の係数で出した最低ラインの試算です。

業界平均ではなく、当社の単価で試算した目安となります。

また、駐車料金などの実費は含んでおらず、実際の費用は依頼先や部屋の状態により上回る場合があります。

間取りごとの大まかな目安は、次の表のとおりです(税込)。

間取り専有面積の目安費用の目安(税込)
1K20㎡約14.7万円〜
1LDK40㎡約29万円〜
2LDK55㎡約40.5万円〜
3LDK70㎡約52万円〜

入居者への請求額は、この工事総額の中から「借主負担分」のみを取り出して算出します。

まずは1Kから3LDKまで、間取りごとの詳しい内訳を順番に確認していきましょう。

各内訳を見比べることで、部屋の広さや選ぶ床材がどのように金額へ影響するのかが見えてきます。

1Kの原状回復費用の目安

20㎡の1Kであれば、3項目を合わせて約147,400円〜が費用の目安です。

項目金額
ハウスクリーニング35,200円(20㎡以下の料金)
壁・天井のクロス66,000円(60㎡×1,100円)
床・クッションフロア46,200円(14㎡×3,300円)

「単価×面積」のシンプルな計算で算出できるため、大家様ご自身でもスムーズに概算できます。

コンパクトな1Kであっても、総額の4割以上をクロス張替えが占める点が特徴です。

これは、壁と天井を合わせたクロスの面積が、専有面積の約3倍と床よりも広くなるためです。

一方、床のクッションフロアは居室の床のみが対象となり、張替え面積は専有面積の約7割(14㎡)にとどまります。

空室清掃は20㎡以下で4〜7時間程度が目安となるため、半日〜1日を見込んでおけば十分です。

なお、角部屋の場合は清掃費が5%割増(約37,000円)となります。

1LDKの原状回復費用の目安

40㎡の1LDKにおける費用目安は、3項目を合わせて約294,800円〜となり、選ぶ床材によって総額が大きく左右されます。

項目金額
ハウスクリーニング70,400円(40㎡の料金)
壁・天井のクロス132,000円(120㎡×1,100円)
床・クッションフロア92,400円(28㎡×3,300円)

仮に床材をクッションフロアからフローリング(7,700円〜/㎡)へ変更した場合、差額は「4,400円/㎡×28㎡=約123,200円」となります。

1Kに比べて床面積が広い分、素材による単価の差がそのまま総額へ大きく響く点が特徴です。

コストを抑えたいならクッションフロア、見た目や耐久性を重視するならフローリングなど、物件の家賃帯や入居者層に合わせて最適な素材を選ぶとよいでしょう。

あらかじめ床材を指定したうえで見積もりを依頼すれば、複数業者の費用を同じ条件で比較できます。

2LDKの原状回復費用の目安

55㎡の2LDKにおける費用の目安は、約405,350円〜となります。部屋数が多い分、割増料金の影響を受けやすくなるのが特徴です。

項目金額
ハウスクリーニング96,800円(55㎡×1,760円)
壁・天井のクロス181,500円(165㎡×1,100円)
床・クッションフロア127,050円(38.5㎡×3,300円)

汚れがひどいヤニ部屋やペット(犬・猫)を飼育していた部屋は、ハウスクリーニングの平米単価が割増となります。

なお、具体的な割増額は現地確認後に確定するため、上記の内訳には含めていません。

2LDK以上は居室が増える分、汚れが広範囲に及ぶ恐れがあります。居室ごとに汚れの程度が変わるため、部屋単位で確認してもらうと金額の根拠が明確になり安心です。

たとえ一部屋だけのヤニ汚れであっても、部屋全体で見るとクロスの張替え面積は大きくなります。

事前に算出した目安額と、現地確認後の見積もり額に差が出やすい点には留意しておきましょう。

3LDKの原状回復費用の目安

4つの間取りの中で最も費用が大きくなる70㎡の3LDKは、総額約515,900円〜が目安となります。

項目金額
ハウスクリーニング123,200円(70㎡×1,760円)
壁・天井のクロス231,000円(210㎡×1,100円)
床・クッションフロア161,700円(49㎡×3,300円)

ハウスクリーニングの作業時間は、60㎡でも7〜12時間が目安となるため、70㎡ではそれ以上の時間を見込む必要があります。

面積に比例してクロスや床の施工日数も延びやすいため、退去から次回の募集開始までは余裕のあるスケジュールを組んでおきましょう。

3LDKは基礎となる金額が高額な分、割増料金や下地補修が加わった際の振れ幅も大きくなります。

なお、上記は標準的な部屋を前提とした最低ラインの目安であり、実際の金額は汚れの程度や下地の状態によって変動します。

マインドカンパニーでは現地確認を行い見積もりを行うため、施工後に「高額な請求をされた」といったトラブルを防げます。ぜひご活用ください。

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部位別の原状回復費用の相場

部位別の費用は、基本的に「単価×面積」で算出されます(※ユニットバスなどは一式)。

主な部位における単価の目安(税込)は、以下の通りです。

部位単価の目安(税込)
クロス(量産クロス)1,100円〜/㎡
床材3,300円〜(クッションフロア)から7,700円〜(フローリング)/㎡
ユニットバス交換90万〜150万円
空室清掃(ハウスクリーニング)1,760円/㎡

続いて、単価が変動する条件を4つの部位ごとに見ていきましょう。

各部位の単価や変動要因を押さえておけば、提示された見積もりが適正かどうかを見極める判断基準になります。

壁紙(クロス)の張替え費用

量産クロスの張替え単価は、材工(材料費+工事費)込みで1,100円〜/㎡が目安です。

単価を左右する主な要因は、「クロスの種類」と「下地の状態」の2つ。

1,100円〜という単価はあくまで量産クロスの最低ラインであり、選ぶ種類によってはこれを上回ります。

また、壁の下地自体に傷みや臭いの染みつきがある場合は、事前の補修処理が必要となるため追加費用が発生するのが一般的です。

最終的な費用は「単価×面積(壁と天井)」で計算されます。

業者からの見積書をチェックする際は、総額だけでなく「単価」と「面積」がそれぞれ明記されているかを必ず確認しましょう。

床材の張替え費用

床材の単価(材工・税込)は、以下のとおりです。

床材単価(税込)
クッションフロア3,300円〜/㎡
フロアタイル6,600円〜/㎡
フローリング7,700円〜/㎡

床材は選ぶ素材によって単価が大きく異なり、フローリングはクッションフロアの2倍以上、フロアタイルはちょうど2倍にあたる6,600円〜/㎡となります。

こうした単価の差は面積が広い間取りほど総額に影響するため、募集する家賃帯に合わせて素材を早めに決めておくと発注がスムーズです。

費用を抑えるならクッションフロア、質感を重視するならフロアタイルやフローリングが選択肢となります。

なお、同じ素材を選ぶ場合でも、施工面積や下地の傷み具合(事前の補修が必要かどうか)によって最終的な費用は変動します。

水回り設備の交換費用

ユニットバスの交換費用は、材料費の高騰を反映し、現在は90万〜150万円が目安となります。

建物に固定された設備のため、ガイドライン上は「建物の耐用年数」が基準です。

一方、キッチンや洗面台、トイレ、換気扇などは作業範囲によって金額が変わるため、個別に見積もりを取る必要があります。

交換となれば費用が高額になりやすいため、見積もりが出た段階で「補修などで対応できないか」を確認しておくと安心です。

水回り設備は、汚れやカビの程度によって「交換」か「クリーニング・補修(再生)」かの判断が分かれます。

退去時の状態をあらかじめ写真に残しておけば、業者との打ち合わせや入居者への説明もスムーズに進められるでしょう。

ハウスクリーニングの費用

空室清掃の基本料金(税込)は、アパート・マンションが1,760円/㎡、戸建てが1,980円/㎡です。

エアコンの内部洗浄(お掃除機能なし)は1基11,000円〜となり、角部屋(5%割増)や汚れのひどいヤニ部屋・ペット部屋では単価が上がります。

なお、施工対象は空室のみで、作業時には電気と水道の使用許可をいただいています。 対応エリアは東京23区・川崎市・横浜市で、作業時間の目安は20㎡以下で4〜7時間、60㎡で7〜12時間程度です。

あらかじめ㎡単価で概算を把握できるため、退去後の工事スケジュールもスムーズに組み立てられるでしょう。

より詳しい作業範囲や料金については、関連記事『【退去後】【入居前】空室清掃の料金表』をご覧ください。

関連記事 【退去後】【入居前】空室清掃の料金表 mind-company.jp

原状回復費用の負担区分

退去時の原状回復費用のうち、どこまでを入居者に請求できるか(負担区分)は「損耗の原因」によって決まります。

そもそも原状回復とは、借主が生じさせた損耗を元に戻すことです。

対象となるのは、故意や過失、善管注意義務(借りた部屋を注意して使う義務)の違反、そして通常の使用を超える使用による損耗です。

その根拠となるのが、民法第621条と国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(以下、ガイドライン)です。負担区分は、大きく次の3つに整理できます。

線引きを押さえれば、請求できる範囲を判断しやすくなるでしょう。

【原則】通常損耗や経年劣化は貸主の負担

家具の設置跡や日焼けによるクロスの変色などは、通常の使用で生じる損耗(通常損耗)にあたります。

こうした通常損耗と、時間の経過に伴う経年劣化の回復費用は、原則として貸主の負担です。

たとえば家具の設置跡は通常の使用範囲内であり、借主へ請求する根拠にはなりません。

民法第621条でも、通常の使用で生じた損耗や経年変化は、借主の原状回復義務に含まれないと定められています。

ガイドラインが示す貸主負担の代表例は、以下のとおりです。

部位貸主負担になる損耗の例
床家具の設置によるへこみ、フローリングや畳の日焼け
壁ポスターや画鋲の穴(下地ボードの張替えが不要な程度)、電気ヤケ、日照によるクロスの変色
設備通常清掃をしている場合の全体ハウスクリーニング、機器の寿命による故障
出典:国土交通省|原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)

また、次の入居者を確保する目的で行う畳の表替えや網戸の張替え、浴槽の取替え、破損のない鍵の交換なども貸主負担となります。

【原則】故意や過失、管理不足による損耗は借主の負担

借主の不注意や日頃の手入れ不足によって生じた損耗の回復費用は、借主(入居者)の負担となります。

入居者に求められる「善管注意義務(部屋を注意して使う義務)」に反した使用があったかどうかが、負担を判断する基準です。

ガイドラインが示す代表例は、以下のとおりです。

部位借主負担になる損耗の例
床飲み物をこぼした後の手入れ不足によるシミ・カビ
壁台所の油汚れ(手入れを怠った場合)、結露を放置して拡大したカビ、タバコのヤニや臭い、落書き
建具ペットによる柱のキズ・臭い
設備風呂・トイレ・洗面台の水垢とカビ(手入れを怠った場合)、鍵の紛失
出典:国土交通省|原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)

同じ壁の汚れでも、日照による変色は貸主負担、放置した油汚れは借主負担となります。判断の分かれ目は、損耗の原因が入居者側にあるかどうかです。

なお、借主の負担となる場合でも建材や設備の経過年数が考慮されるため、負担割合は年数とともに下がります。

負担区分に迷う傷や汚れは、部屋の状態や手入れ具合を写真に残しておくと、請求時の客観的な根拠になります。

【例外】特約が有効なら借主の負担範囲が広がる

借主の負担範囲を通常のルール以上に広げる「特約」を有効とするには、主に次の3つの要件を満たす必要があります。

  • 特約の必要性があり、暴利的でないなど客観的・合理的な理由がある
  • 借主が、通常の原状回復義務を超える負担をすることを認識している
  • 借主が、その負担をする意思を示している

これら3つの要件を欠く特約は、効力が認められず借主に負担させられない可能性があります。

たとえば退去時のクリーニング費用に関して、「ルームクリーニング費用は借主負担」とだけ記載されていたケースでは、裁判所は「通常損耗まで借主に負担させる特約とは言えない」と判断しました。

一方で、負担する金額や範囲が明確に記載され、借主が理解・合意していた特約については、有効と認められた裁判例もあります。

特約が有効かどうかは、契約内容や個別の合意状況によって異なるのが一般的です。

後から無効になる事態を防ぐためにも、契約書の特約条項や重要事項説明の記録を改めて確認しておきましょう。

居住年数で変わる原状回復費用の負担割合

クロスやクッションフロアなどの借主負担分は、経過年数(入居年数)を考慮して算出されます。

ガイドラインでは、新築や張替え直後の状態を出発点とし、6年で残存価値(経年劣化で下がる価値の残り)が1円となる直線的な減価モデルを想定しています。

借主の負担額は、「工事費 ×(1 − 入居年数 ÷ 6)」で算出可能です。 張替え直後に入居し、クロス全面の張替え費用が66,000円だった場合の負担割合と金額の目安は、以下のとおりです。

入居年数借主の負担割合借主負担額
1年約83%55,000円
3年50%33,000円
5年約17%11,000円
6年以上残存価値1円1円

ここでは、「入居3年」「入居6年」「入居7年以上」の3つの場面における、貸主と借主の負担額を比べてみましょう。

場面ごとの基準を押さえておけば、退去のたびに適切な請求額を試算できるようになります。

入居3年で退去した場合の負担割合

入居時が張替え直後であれば、入居3年目の負担割合は50%(1 − 3年 ÷ 6年)となり、張替え費用は借主と貸主で折半となります。

たとえば、ヤニ汚れなどで居室全体のクロス60㎡を全面張替えする場合、総額66,000円のうち借主に請求できるのは半額の33,000円です。

一方、汚損が壁1面(約10㎡・工事費11,000円)にとどまる場合はガイドラインでも1面分の負担が認められており、双方の負担額は5,500円ずつとなります。

一部のみを張り替える際は、退去時に汚損範囲を写真で記録しておくと、請求面積の根拠として役立ちます。

入居3年が経過すると貸主側にも相応の費用負担が生じるため、あらかじめ退去時の工事費を見越した資金計画を立てておきましょう。

入居6年で退去した場合の負担割合

入居時が張替え直後であれば、クロスの残存価値は入居6年で1円(実質ゼロ)となります。

そのため、60㎡・66,000円の全面張替えを行う場合でも、費用は原則として全額貸主の負担です。

貸主側としては、6年をクロス張替えの目安時期と捉え、あらかじめ修繕計画に組み込んでおくとよいでしょう。

ただし、耐用年数を経過していても、借主が負う「善管注意義務(部屋を注意して使う義務)」が免除されるわけではありません。

故意や過失による汚損、たとえば壁への落書きなどを修復する費用は、借主負担として請求できる可能性があります。

もし入居者から「6年住んだのだから壁紙代は一切払わない」と主張された場合は、ガイドラインの基準に沿って冷静に説明・対応しましょう。

入居7年以上で退去した場合の負担割合

入居時が張替え直後であれば、入居7年以上でクロスやクッションフロアの残存価値はすでに1円となり、張替え費用は原則として貸主の負担です。

そのため、長期入居者の退去にあたっては、貸主側であらかじめ修繕費を見込んでおく必要があります。

ただし、長期間住んだからといって、すべての項目で借主の負担がなくなるわけではありません。

項目経過年数の考慮
フローリングの部分補修考慮しない
フローリングの全面張替え建物の耐用年数で計算
襖紙・障子紙・畳表(消耗品)考慮しない
鍵の紛失考慮しない(交換費用の全額)
クリーニング(通常の清掃を実施していない場合)考慮しない(全額借主負担)
出典:国土交通省|原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)

表のうちフローリングの全面張替えを除く項目は、何年住んでいても経過年数が考慮されず、借主の負担が残る点に注意が必要です。

また、築20年などの古い物件では、入居時点の内装の状態に合わせて負担割合の出発点を下げて計算します。この基準は、貸主と借主があらかじめ協議して決めるのが一般的です。

なお、設備は品目ごとに耐用年数が異なり、流し台は5年、エアコンやインターホンは6年、便器・洗面台は15年が目安です。 ユニットバスなどの大型設備については、建物の耐用年数を基準として算出します。

入居者と揉めずに原状回復費用を請求する手順

退去時の費用請求トラブルは、主に「入居時の状態」「退去時の説明」「請求額の根拠」の3つが曖昧な場合に発生します。

入居者に負担額や割合をスムーズに納得してもらうには、時系列に沿った事前の準備が欠かせません。

これら3つの手順は、退去前から計画的に進めておくことでトラブル防止に大きく役立ちます。

1. 入居時の部屋の状態を写真とチェックリストで記録する

入居時の傷や汚れを写真やチェックリストで記録しておくと、退去時に「入居前からあった傷だ」と主張された際の客観的な証拠になります。

記録しておく項目は、主に以下の3点です。

  • 居室ごとの全体写真
  • 傷や汚れの接写
  • 設備の動作状況

チェックリストに双方で署名し、写真の控えを入居者にも渡しておけば、退去時の認識のズレを未然に防げます。

なお、入居時の記録がない場合は募集時の室内写真や前回の工事完了写真で代用も可能ですが、証拠としては弱いでしょう。

撮影日が残る設定で写真を撮っておくと、入居時の状態を示す確実な根拠として活用できます。トラブルを防止するためにも、入居のたびに写真を残す運用を徹底しておくと安心です。

2. 退去立会いで負担区分と経過年数を入居者に説明する

退去立会いでは、ガイドラインの負担区分表と計算式を用意し、借主負担の有無や経過年数の考え方を根拠とともに説明します。

当日は気づいた損耗をその場でチェックリストへ記入し、入居者と一緒に確認しましょう。

入居者が「入居前からあった」と主張した場合は、入居時の記録写真と照らし合わせて確認します。

意見が食い違った場合もその場で無理に結論は出さず、写真を撮影して持ち帰るのが賢明です。

また、立会いの現場で具体的な金額への同意やサインを求めるのは避けましょう。

後日改めて内訳を提示し、金額をじっくり確認できる時間を設けることで、「高すぎる」といったトラブルや不満を防げます。

3. 内訳と計算根拠を明記した請求書を送る

請求書には、入居者が金額の妥当性を自分で確認できるよう、詳細な内訳を記載します。

記載する項目は、工事項目・数量・単価・工事費・経過年数と負担割合・借主負担額の6つが基本です。

預かっている敷金から差し引く場合は、差引後の精算額もあわせて記載しておきましょう。

請求書の記載例は、以下のとおりです。

項目工事費借主負担額
クロス張替え(入居3年・60㎡)66,000円33,000円
壁1面のクロス張替え(入居3年・10㎡)11,000円5,500円

請求書の「項目名」と「工事費」は、入居者の不信感を招かないよう、業者の見積書と一致させましょう。

計算根拠が明確で見積書と照合しやすい内容なら、入居者も納得しやすくなります。

送付前には、経過年数や負担割合の計算に誤りがないかを改めて確認してください。

原状回復費用が相場を超えて高額になる要因

費用が相場を大きく超えるケースの大半は、部屋の状態が「通常の使用」の範囲を超えていることが原因です。

具体的には、費用を押し上げる要因として以下の4つが挙げられます。

前者の3つは汚損面積や設備の状況に応じて費用が膨らみますが、4つ目の孤独死やゴミ屋敷は一般的な相場が当てはまらない領域です。

特に汚染が床下や壁の内部にまで及ぶ現場では、解体や内装工事が加わるため費用はさらに高額になります。

各要因が費用にどう影響するのかを把握しておけば、提示された見積もり金額が妥当かどうかを判断できるようになるでしょう。

タバコのヤニや臭いの付着

ガイドラインでは、喫煙によって居室全体のクロスが変色したり臭いが付着したりした場合に限り、借主の負担とするのが妥当とされています。

その際の負担対象となるのは、居室全体のクリーニングまたは張替え費用です。

なお、変色や臭いの程度は喫煙の頻度や期間によって大きく変化する点に注意が必要です。

タバコの煙は部屋全体に広がるため、汚損が認められると居室全体のクロスが張替え対象となり、費用は面積に比例して大きくなります。

さらに、臭いが下地まで染み込んでいる場合は事前の下地処理費用が加算され、空室清掃の料金も割増単価となります。

タバコ臭の原因や消臭方法をさらに詳しく知りたい方は、関連記事『部屋のタバコ臭い消し完全ガイド』も読んでみてください。

関連記事 部屋のタバコ臭い消し完全ガイド|原因・消し方・費用を専門家が解説 mind-company.jp

ペットによる床や壁の傷と臭い

ペットによる柱の傷や臭いは、ガイドラインでも借主負担の代表例とされています。

臭いが床材や壁の下地まで染み込んでいる場合、通常のクリーニングでは落としきれず、張替えが必要になる点に注意が必要です。

床の張り替え

また、汚れがひどい犬や猫の部屋は、空室清掃の単価が割増となります。

傷の範囲が柱の一部だけか部屋全体に及ぶのかによって、工事の規模は大きく変わります。まずは現地で傷や臭いの範囲を正確に把握し、必要な工事だけに絞って発注しましょう。

ペット可の物件は退去のたびに張替え工事が発生しやすいため、あらかじめ修繕費を計画的に見込んでおくと安心です。

水回りのカビや汚れの蓄積

水回りのカビは表面上の汚れに見えても、放置すると素材の奥まで根を張ります。 結露を放置したことで拡大したカビは、ガイドラインでも借主負担の対象です。

浅い段階であれば、カビ取りや防カビ処理など面積に応じたクリーニング費用で収まります。

しかし、汚れが深刻化してユニットバス自体の交換に至ると、負担額が一気に跳ね上がる点には注意が必要です。

状況費用
カビ取りで済む段階カビ取り2,200円〜/㎡
カビ根の殺菌と防カビ3,300円〜/㎡
設備の交換に至る段階ユニットバスの交換で90万〜150万円

退去後に浴室のカビが見つかった際は、「クリーニングで再生できるか、交換が必要か」を早めに見極めると、費用の増大を防げます。

ちなみにマインドカンパニーでは、以下のような状態でも交換不要です。

カビだらけのユニットバス

判断に迷う場合は、まず業者に現地で状態を確認してもらい、適切な対応を相談しましょう。

孤独死やゴミ屋敷による汚染

孤独死やゴミ屋敷では、汚染が床下や壁の内部にまで達するケースがあり、専門的な消臭作業が必要となるため一般的な相場は当てはまりません。

マインドカンパニーにおける費用の目安は、1K洋室(遺品整理なし)の特殊清掃のみで税込27.5万〜38.5万円です。

また、消臭から原状回復工事までを一括で行うプランでは、税込27.5万〜330万円となります。 消臭や解体、内装と工程が増えるほど、費用も高額になる傾向です。

料金金額(税込)内容
緊急パック10万8,900円初期消臭・応急処置
徹底消臭プラン16万5,000円〜60万5,000円大家様・不動産管理会社より最多依頼プラン
原状回復プラン27万5,000円〜330万円完全な原状回復まで一括対応

正確な費用を算出するには実際の汚染範囲の確認が必要となるため、当社では事前の現場確認と見積もりを無料で承っております。

不動産管理会社様や家主様からのご依頼も多く、事前に費用の見通しを立てておけば、関係者への説明もスムーズに行うことが可能です。

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原状回復費用の見積もりを見極める確認項目

提示された見積もりが適正かどうかは、書類を受け取った当日から判断できます。 具体的には、次の4つの確認項目でチェックを行いましょう。

もし100万円を超えるような見積もりが届いた場合は、内訳の精査、相見積もり、交換の要否の再確認の手順で進めるのが基本です。

見積書に項目、数量、単価が明記されているか

見積書を受け取った際は、項目名、数量(㎡・枚・箇所)、単価、金額がそれぞれ明確に記載されているか確認しましょう。

「原状回復工事一式」のように複数の作業をまとめて金額だけを示す表記では、相場と比較できず、入居者への説明根拠としても使えません

「クロス剥がし 1式 40,000円」「空室清掃 16㎡×2,200円」のように、作業ごとに項目を分けて数量と単価を示す形が基本です。

【マインドカンパニーの見積書】

見積書

項目や単価の記載が詳細であれば、複数業者で相見積もりを取った際にも金額差の理由を把握できます。

詳しい内訳の見方については、動画『【特殊清掃】見積もりの内訳 優良業者を見分けるポイントとは?』でも解説しています。

借主負担と貸主負担が切り分けられているか

借主負担による損耗と、次の入居者募集に向けた工事(グレードアップを含む)が混在した見積書は、請求の根拠として使えません。

こうしたグレードアップにあたる工事も貸主負担となるため、見積書の段階で「借主負担分」と「貸主負担分」が明確に切り分けられているかが重要です。

双方の負担があらかじめ分かれていれば、そのまま請求額をスムーズに組み立てられます。 もし区分されていない見積書が届いた場合は、業者に再提出を依頼しましょう。

最初から正確に分けて記載してもらうには、見積もり依頼の時点で双方の負担範囲を伝えておくのが確実です。

退去立会いで作成した損耗リストを渡しておけば、業者側もより区分しやすくなります。

クリーニングや補修で済む箇所がないか

設備交換を前提とした見積もりでも、クリーニングで再生できれば、90万〜150万円かかるユニットバスの交換を避けられます。

実際に当社が対応した埼玉県川越市のマンションは、入居者が汚部屋にしてしまった現場でした。

【施工事例】

他社のお見積もりでは、キッチンやユニットバスの交換、床やクロスの全面張替えなどを含め、総額250万円という内容でした。

ユニットバスの清掃前
ユニットバスの清掃前
ユニットバスの清掃後
ユニットバスの清掃後

しかし当社にて、汚部屋特殊クリーニング(49.5㎡)と床剥離クリーニング(25.2㎡)を徹底して実施しご覧のように回復させました。

最終的な費用は、税込188,082円(消費税8%時点)。作業もわずか3日間で完了し、無事にお引き渡しできた物件です。

「もう交換するしかない」と決めてしまう前に、専門的なクリーニングで再生できる範囲がないか、まずはプロの業者に現場を確認してもらいましょう。

実際の作業事例は『汚部屋ハウスクリーニング(埼玉県川越市)』でも詳しく紹介しています。

関連記事 汚部屋ハウスクリーニング(埼玉県川越市) mind-company.jp

特殊清掃や残置物撤去まで一括で任せられるか

ゴミ屋敷や孤独死、ヤニやペットの臭いが残る現場では、工程ごとに業者を分けてしまうと、窓口や日程の調整に手間がかかります。

そこでマインドカンパニーでは、以下の3つの工程を一括で対応しています。

  • 残置物の分別・搬出と、貴重品の捜索
  • 特殊清掃・消臭
  • 原状回復工事(クロス・床材の張替え、床下の解体・防臭処理)

原状回復工事で扱う材料は、クロス、クッションフロア、フロアタイル、フローリングの4種類です。

特殊清掃のあとに、わざわざ別のハウスクリーニング業者を改めて手配する手間も基本的にはかかりません。

窓口を一つに絞ることで、煩わしい業者間のスケジュール調整が不要になり、退去から次の入居者募集までの期間を大幅に短縮できるのが強みです。

なお対応エリアは、特殊清掃が関東全域、空室清掃が東京23区・川崎市・横浜市となっています。

まずは現地調査のうえ無料でお見積もりを作成いたしますので、状況に合った対応方針をご検討ください。

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ヒドロ工法:特許第7525770号

原状回復費用の相場に関するよくある質問

貸主様からよく寄せられる、敷金で足りない場合の不足分、請求後の「高すぎる」への対応、工事期間の3つにお答えします。

敷金で原状回復費用をまかなえない場合、不足分は請求できますか?

はい。借主負担分の原状回復費用が敷金を上回った場合、民法に基づいてその不足分を借主へ請求できます。

ただし、後々のトラブルを防ぐためにも、請求時には「費用の内訳」や「計算根拠」を書面でしっかりと提示することが基本です。

なお、実際に請求できるかどうかは契約内容によっても異なります。とくに敷金ゼロの物件では未回収リスクが高まるため、事前に負担区分を丁寧に説明しておくことが重要になります。

入居者から「原状回復費用が高すぎる」と言われたら、どう対応すればよいですか?

まずは請求書の内訳や計算根拠、負担区分表を改めて提示し、借主負担となる理由を丁寧に説明してください。

それでも支払いに応じてもらえない場合は、契約内容とガイドラインを再確認し、弁護士などの専門家へ相談しましょう。

解決策として、民事調停や60万円以下の金銭請求が対象の少額訴訟といった公的な手続きを検討するのも一つの手です。

また、当事者間で折り合いがつかない場合は、消費生活センターなどの第三者機関(消費者ホットライン188)を入居者に案内する方法もあります。

原状回復工事はどのくらいの期間がかかりますか?

当社の目安として、空室清掃は20㎡以下で4〜7時間、60㎡で7〜12時間。クロスや床材などの内装工事は3〜7日程度となります。

特殊清掃を伴う場合は、汚染度によって即日から2週間以上かかることもあり、警察の検視が完了するまでは作業に着手できません。

なお、清掃から内装工事までを一括でご依頼いただければ、業者間のスケジュール調整が省けるため、空室期間をより短く抑えやすくなります。

原状回復費用は相場と負担区分を押さえ、信頼できる業者へ早めに相談しよう

原状回復を適正な費用でトラブルなく進めるには、単価・面積に基づく相場と、経過年数を考慮した負担区分の把握が欠かせません。

また、入居時の記録と退去立会いを徹底し、内訳が明確な見積書を用意することが入居者とのスムーズな合意につながります。

とくにヤニ汚れや孤独死など、費用が高額になりやすい現場では、見積もりの精査と設備交換の要否をより慎重に見極める必要があります。

退去のたびにこうした判断を迫られる貸主様の負担は、決して小さくありません。

もし「適正価格でスムーズに工事を進めたい」「トラブルを未然に防ぎたい」とお考えでしたら、ぜひマインドカンパニーへご相談ください。

当社では現地を直接確認のうえ、根拠と内訳の明確な見積もりを無料で作成いたします。

発注額と請求額の根拠がしっかりとそろうことで、入居者への説明にも落ち着いて臨んでいただけます。

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2,000件以上の現場経験から、状況に合った対応をご提案します。

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2008年より遺品整理・特殊清掃の現場に立ち続けて17年。
IICRC国際資格保有・特殊清掃2,000件超の実績をもとに、
正確で信頼性の高い情報をお届けします。

『一般廃棄物収集運搬会社にて8年の業務経験』
『IICRC認定 TCST(特殊清掃)』
『IICRC認定 FSRT(火災復旧)』
『古物商許可取得』
『業歴17年(2008年〜)』
『特殊清掃実績 2,000件超』

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