特殊清掃現場の吐血、実は危険。清掃の流れと料金について
孤独死現場の清掃は自分で行うのが難しいのはイメージできるかと思いますが、吐血だけであれば自分で清掃することもできそうと考える方もいるのではないでしょうか。しかし、他人の吐血を清掃するというのは、非常にリスクのある行為です。
この記事では、吐血現場の危険性や特殊清掃の作業の流れ、料金などについてご紹介します。
特殊清掃現場の吐血の危険性について
体調不良や病気による吐血、そのほか特殊清掃現場の血液は、しっかりと対策して清掃作業を行わなければ、作業者の健康面へのリスクが高くなります。
まずは、その危険性からご紹介していきます。
傷口や粘膜に付着すると感染症にかかる可能性がある
ご存じの方が多いかとは思いますが、他人の血液が傷口や粘膜に付着すると、様々な感染症にかかってしまう可能性があります。
代表的な例としては、エイズやB型肝炎、C型肝炎など、皆さんもご存じの重大な感染症は、血液が傷口や粘膜に付着することによって引き起こされるのです。
これらの感染症は、死亡リスクや完治しないリスクがあるため、もしかかってしまうとこれからの人生を大きく変えてしまう可能性もあります。
「吐血だけだから自分で作業できる」は間違い
吐血の清掃は、「血を拭くだけなんだから誰でもできる」「手袋を付ければ大丈夫」「傷はないから問題ない」と、つい思ってしまうかもしれません。
しかし、前述のように感染症にかかってしまうと、軽率に吐血の清掃をしたことを一生後悔し続けることにもなりえます。
また、市販の薬剤では完全に除菌することが難しく、表面上は綺麗になったように見えてもウイルスが残っている可能性もあります。
「吐血だけだから自分で作業できる」というのは、作業される方にとって非常に大きなリスクですので、私たちのような専門業者に一度ご相談ください。
吐血が伴う特殊清掃の作業の流れ
私たち特殊清掃業者が吐血、または吐血を伴う特殊清掃のご依頼を受けた際には、一般的には以下のような流れで作業を行います。
- 消毒剤の散布
- 特殊清掃(吐血・体液の処理)
- ハウスクリーニング
- 消臭
お部屋の状況やご依頼によっても作業内容は変わってきますが、清掃から消臭まですべての工程をお任せいただいた場合は、上記のようになります。
除菌剤の散布
まずは、お部屋全体に除菌剤を散布する作業から始めます。
直接血液に触れなくとも、空気中に浮遊しているウイルスから感染症を発症するリスクがあるため、必ず空間を除菌してから作業を開始いたします。
もちろん、作業者は防護服・手袋・マスクなどの感染予防は十分に行ったうえで、入室いたします。
特殊清掃(吐血・体液の処理)
除菌剤の散布が完了し、効果が出るまで少し時間を空けたら、実際に特殊清掃の作業に入っていきます。
吐血現場の場合は吐血のみ、孤独死現場の場合は吐血と遺体が損傷したことによる体液を処理します。
特殊清掃で使用する薬剤は、これまで実際の作業現場で何度もテストを重ねて、本当に効果がある薬剤のみを使用しています。
一般的な洗剤でも「○○用」という使い分けがありますが、業者が使用する専門的な薬剤にも使い分けがあります。しかし、私たちの行う特殊清掃という作業は非常に特殊なため、特殊清掃専用に作られた薬剤というのはほとんどありません。
そのため、テストにテストを重ね、「このケースではこの薬剤が効果的」という独自の使い分けを行っております。
詳しくは「除菌消臭薬剤」のページをご覧ください。
ハウスクリーニング
孤独死現場の場合、家中に悪臭がしみついているため、消臭の作業が必須となります。
しかし、吐血や体液のみを処理して消臭器を稼働させても、臭いを取りきることはできません。一時的に臭いを感じなくなったとしても、数日もするとまた悪臭がするようになってきます。
この原因が、お部屋のあらゆる場所にある汚れや建材です。ホコリや油汚れといったお部屋の汚れや、壁紙や柱といった建材が悪臭を吸い込んでしまっているため、臭いが戻ってきてしまうのです。
そのため、マインドカンパニーでは一般家庭のハウスクリーニングの業務も承れるほどの清掃技術を取得し、それを特殊清掃現場のハウスクリーニングに活かしております。
このハウスクリーニングの作業を省いてしまう特殊清掃業者も少なくなく、「他者に依頼したが、悪臭が戻ってきた」というご相談をいただくこともあります。
消臭
ハウスクリーニングを行ったうえで、最後に消臭作業を行います。
消臭はヒドロ工法で行っており、業務用のヒドロキシル発生器を数時間から数日間ほど稼働させることで、消臭します。
臭いは人の感覚で「臭い・臭くない」という定性的な判断をしてしまいがちですが、マインドカンパニーでは2種類の臭気測定器を使うことで、定量的な判断が出来るようにしております。
詳しくは「消臭除菌機材」のページをご覧ください。
吐血でフローリング剥がしなどの解体が必要になるケースもある
吐血の清掃を自分でしてはいけない理由のひとつでもありますが、吐血によってフローリングを剥がすといったお部屋の解体が必要になるケースもあります。
フローリングはコーティングされているので、水分が付いてもすぐにふき取れば染み込むことはありません。しかし、水分が付いた状態で長時間放置すると、コーティングが浮き上がってしまい、付着した水分を吸い込んでしまいます。
血液も例外ではなく、吐血から数日ほど経過してしまうと、清掃してもフローリングを元の状態に戻すことはできず、原状回復のためには一度解体して新しいフローリングに張り替えなければいけないケースがあるのです。
また、フローリングの継ぎ目や幅木(壁の下部の部材)の隙間に吐血が入り込んでしまうこともあります。ですので、見える範囲だけ綺麗になればいいというわけではありませんので、ご注意ください。
吐血が伴う特殊清掃の料金について
孤独死現場での吐血を伴う特殊清掃の場合、マインドカンパニーでは別途費用を頂戴しておりません。
リビングや洋室での特殊清掃の場合、以下のような料金表となっております。
リビング等、洋室部屋の特殊清掃の料金表
床上下の清掃 | 40,000円∼100,000円(税込44,000円∼110,000円) |
---|---|
汚染した布団の撤去 | 5,000円∼15,000円(税込5,500円∼16,500円) |
汚染したマットレス(シングル)の撤去 | 8,000円∼13,000円(税込8,800円∼14,300円) |
汚染したマットレス(ダブル)の撤去 | 12,000円∼18,000円(税込13,200円∼19,800円) |
除菌剤による散布 | 15,000円∼35,000円(税込16,500円∼38,500円) |
除菌消臭器設置 | 30,000円(税込33,000円)/日 |
汚染箇所の解体 | 5,000円∼100,000円(税込5,500円∼110,000円) (解体範囲による) |
床下防臭処理 | 25,000円∼100,000円(税込16,500円∼110,000円) (特殊コーティング/塗布範囲による) |
クロス(壁紙)剥がし | 15,000円∼80,000円(税込16,500円∼88,000円) (撤去範囲による) |
臭気分析(ガスクロマトグラフ質量分析)(GC-MS) | 12万円(税込13,2万円)/1回(検査結果のデータ納期:約2週間) |
作業工程表などの書類作成 | 2万円(税込2,2万円)より |
詳しくは、「孤独死の特殊清掃料金」のページをご覧ください。