完全消臭のための取り組みとOST法について
特殊清掃とは、平たく言うと孤独死が発生してしまった部屋の現状回復をおこなう仕事です。
弊社のおこなっている特殊清掃の流れは以下の通りです。
- 除菌
- 汚染した荷物の処理
- 汚染箇所の簡易処理
- 家財の運び出し
- 汚染した箇所の特殊清掃
- 徹底したルームクリーニング
- オゾンショックトリートメント法での消臭
- 引き渡し
このようなステップを踏んで特殊清掃をおこなっております。
弊社の特殊清掃の特徴としては6番の徹底したルームクリーニングです。
多くの特殊清掃をおこなっている業者はこの部分を省略してしまうため、依頼者は臭いがなくなったと思い引き渡しをオッケーしてしまうのですがルームクリーニングをおこなっていないと臭いが消えるのは一時的で、不動産に引き渡すときにはまた臭いを感じるということがよくあります。
ではなぜルームクリーニングが必要なのか、そもそもオゾン消臭はどのような仕組みで臭いを消しているのかという2つのポイントについてお話していきます。
オゾン消臭とは
皆さんはオゾンという言葉を聞いたことがありますでしょうか?
オゾンは腐食性が高く生臭い独特な刺激臭を持っている不安定で有害な気体です。
化学式は酸素がO2なのに対し、オゾンはO3で酸素原子が3つくっついた状態がオゾンです。
紫外線や電気などにより生成されるので自然界にもオゾンは存在し、よく聞く地球の周りにあるオゾン層ももちろんオゾンですし、皆さんが吸っている空気の中にも少量のオゾンが存在しています。
オゾン消臭の仕組み
ではなぜオゾンが消臭に使用されているのかという点ですが、青字で書いた「腐食性が高い」「不安定」というポイントが重要となってきます。
酸素元素は2つくっついた状態のO2が安定した状態で、3つくっついている状態では不安定な状態となっています。
3つの酸素元素のうち1つはすぐに離れていこうとし、その離れた1つの酸素元素が悪臭のもととなるニオイ物質にぶつかってくっつくことで、高い腐食性によりニオイ物質は酸化され悪臭が分解されるという仕組みです。
この画像では分解されたニオイ物質が消えているように見えますが、正確には消えているわけではなく「悪臭のしないほかの物質」に変化しているだけです。
もともとは有害なオゾンですが、酸素原子が1つなくなったオゾンはO2、つまり酸素になるので消臭後の空気中には害が一切残りません。
孤独死現場では非常に多くのオゾンを発生されるオゾン発生器を使用するのでニオイ物質以上にオゾンが発生しているため、消臭作業後は歓喜作業が必須です。
特殊清掃と通常のオゾン消臭の違い
一般向けにもオゾン発生器は販売されているのですが、特殊清掃で使用しているオゾン発生器は少し違います。特殊清掃の現場ではオゾンショックトリートメント(OST)法という手法を用いて消臭をおこないます。
オゾンショックトリートメント法も言ってしまえばオゾンを発生させてニオイ物質にぶつけることで悪臭を分解しているのですが、オゾンショックトリートメント法と呼ばれている手法ではオゾンの発生量と風量が必要となります。
空気中のニオイ物質を分解するだけですとオゾンを発生して充満させるだけで消臭が可能なのですが、孤独死が発生して何日、何十日と経ってしまった部屋には壁や天井に悪臭がしみ込んでしまっています。そこでオゾンショックトリートメント法で定められたオゾン発生量を大きな風量で空気をかき混ぜることによって、オゾンがニオイ物質にくっつこうとする活動を活発化させてニオイのしみついてしまった部屋のニオイ物質も分解することができるという仕組みになっています。
オゾンショックトリートメント法は一般社団法人日本除菌脱臭サービス協会が認定する脱臭方法・理論です。オゾン発生量7500ml/h以上、風量260m3/h以上のパフォーマンスを出せるオゾン脱臭機でないとオゾンショックトリートメント法は利用できないとされています。
オゾン発生器の仕組み
オゾン消臭とはでも触れました通り空気中に存在する酸素に紫外線を照射するか、高いエネルギーを持つ電子を衝突させるとオゾンが発生します。
オゾン発生器では後者の高エネルギーの電子を衝突させる方法が採用されており、オゾン発生器の中にあるオゾン管という部分で電気を加えることによりオゾンを発生させています。オゾンショックトリートメント法が利用できるオゾン発生器はこの部分が一般向けの製品よりも強化されており、そのオゾンを吐き出すためのファン機能も強力なものが搭載されております。
弊社では全部で7台のオゾン発生器を所有しており、そのうち2台は移動用の車両に積み込んで常に携帯することにより緊急の消臭依頼にも対応できるよう万全の体制を準備しております。
なぜハウスクリーニングが必要なのか
では冒頭で紹介したように弊社がなぜハウスクリーニングを徹底しておこなうのかという点についてです。
非常にシンプルな話なのですが、壁や天井にまでしみ込んでしまう悪臭は、お部屋の汚れやほこりもにおいがしみ込んでしまいます。なので徹底したルームクリーニングによって部屋全体をきれいにすることが完全消臭には必須と言えます。
残念なことに弊社には「特殊清掃会社に作業をしてもらったけどにおいが残っている」「完全消臭は無理と言われた」とレベルの低い特殊清掃会社に依頼をしてしまった方からの再施工の依頼が月に何本もございます。そもそも論、特殊清掃について理解していないのだろうなと感じてしまうほどのレベルの場合もあるのですが、汚染部分はきれいに処理されているが壁紙をはがしてあるだけで水回りなどは一切清掃されていないケースが多々あります。
レベルの低い業者が特殊清掃・消臭業界からいなくなるように消臭に関する協会なども立ち上がっているのですが知識と技術を持ち合わせていない業者が多数いるのが現在の状態です。弊社としても正しい特殊清掃会社の選び方や業界への正しい施工のアナウンスをおこなって参りますが、レベルの低い業者がいる現時点では特殊清掃でお悩みの方はまずマインドカンパニーにご相談いただければと思います。
気温が高くなると臭いが戻ってくるは嘘
特殊清掃業界に長年いると「気温が高くなると臭いが戻ってくる」という言葉を耳にするのですがこれは間違いです。確かに気温が高いとカビやバクテリアが増殖し、新たなニオイ物質が発生することで臭いはひどくなるのですが、元からしみ込んでしまっている悪臭がオゾン消臭によりいったん収まったわけではなく、湿度が低いと人間の鼻では臭いを敏感に感じることができないので湿度の低い乾燥した季節には、実はにおいが取れていなかったというトラブルが増えてしまいます。鼻と湿度の話の続きで、においに敏感な動物として犬が有名ですが犬の鼻は常に濡れていますよね?なので鼻がよく効くという仕組みで、それは人間と湿度の関係にも同じことが言えるのです。
さらに夏ににおいが戻ってくると勘違いしてしまうのが対流です。対流というのは簡単に言いますと空気の流れです。気温が上昇すると室内全体の空気が対流しやすくなるため、一部にとどまっていた悪臭が部屋全体、他の部屋まで臭いを運んでしまうのです。そうするとまた壁や天井ににおいがしみ込み…という悪循環が生まれてしまうのです。
マインドカンパニーの清掃技術
ではこの後紹介する数件の以外にも多くの作業実績を掲載していますのでぜひご覧ください。
洗面台のビフォーアフター
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after
お風呂のビフォーアフター
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after
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