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孤独死の原因と死因、その対策について

  • コラム
孤独死誰にも看取られず自宅で一人亡くなってしまう、そんな孤独死の件数は年々増加傾向にあります。
遺体の損傷はとても早く、夏場であれば死後1時間ほどで腐敗が始まってしまうケースも。
誰しもが望まない孤独死ですが、残された家族や周囲の人は、死後かならず「どうにかして防げたのではないか」と後悔しているはずです。
そこでこの記事では、なぜ孤独死が発生してしまうのか、その原因についてご紹介します。
大切な家族・親戚・友人などを孤独死させないためにも、ぜひご一読ください。

孤独死の死因は多くが病死

まず孤独死の死因についてですが、一般社団法人日本少額短期保険協会の『 第6回孤独死現状レポート 』データによると、65.6%とその多くが病死であるようです。
具体的には、以下のような死因の人数・割合になっています。

死因 病死 自殺 事故死 不明
人数 3,518人 579人 73人 1,103人
割合 65.6% 10.9% 1.3% 22.2%
不明が22.2%あるため、実際は7割以上の死因が病死であると考えられます。
多くの孤独死の死因である病死のなかでも、心不全や心筋梗塞、狭心症といった循環器系の障害による、突発的な発作による死因が多いと考えられています。
心疾患は日本人の死因ランキング第2位で、約15%の方が亡くなっているということもあり、単身世帯であれば誰にでも孤独死のリスクがあると考えてもいいでしょう。
また、疾患を持っていない方でも、急な温度差による血圧変動で起こるヒートショックが死因になってしまうケースも少なくありません。

自殺が約10%と非常に多い

また、上記の表で注目していただきたいのが、孤独死の死因における自殺の割合の高さです。
令和3年度の死亡数全体のうち自殺の割合は1.4%となっていますが、孤独死の死因における自殺の割合はなんと10%を超えています。
人前で命を絶つ方が多くないことを考えると、自殺率が高くなるのは当然かも知れませんが、一般的な感覚では自殺の割合がとても高いと言えるでしょう。
自殺者数は2000年頃から年々減少傾向にありますが、深刻な問題であることに変わりはありません。

孤独死の発生件数は増加傾向にある

国土交通省の統計データによると、東京都では2003年以降毎年のように孤独死に件数が増加しており、これは日本全体でも共通のものと考えられます。
東京都における孤独死数は、15~64歳は年間約1,400~1,600人と、この20年間で大きく変動していません。
しかし、65歳以上の孤独死数が大きく増加しており、2018年は2003年と比較して約2.7倍(2003年1,441件→2018年3,867件)まで増加しています。
そのほか、孤独死の各種データについては、『 特殊清掃とは?孤独死後の清掃・原状回復の流れを事例付きでご紹介 』でもご紹介しています。

孤独死が起きてしまう原因

孤独死の死因を踏まえた上で、なぜそもそも孤独死が起きてしまうのか、誰かに看取られて最期を迎えられないのか、その原因についてご紹介します。
もちろん、個々のケースで孤独死の原因は異なりますが、大きく分類すると以下の4つの原因に分けることができます。

  • 生涯未婚率の上昇
  • 人間関係の希薄化
  • 病気の放置や未発見
  • 経済的困窮

それぞれの根本的な孤独死の原因について、詳しく見ていきます。

生涯未婚率の上昇

生涯にわたって一度も結婚しなかった人の割合を示す「生涯未婚率」ですが、日本ではこの数値が年々上昇しています。
国立社会保障・人口問題研究所によると、50歳時の未婚率は2015年時点で男性23.37%・女性14.06%となっています。
1990年は男性5.57%・女性4.33%のため、この25年間で男性は4倍以上、女性は3倍以上も未婚率が上昇しています。
つまり、いわゆる”独居老人”と呼ばれるお年寄りが増えており、孤独死数の増加に大きく影響していると考えられます。
また、一般社団法人日本少額短期保険協会の発表する孤独死の男女割合を見ると、男性が約83%となっていることも、男性の未婚率が高いことの影響があると見られます。

人間関係の希薄化

人間関係の希薄化も、孤独死数の増加に大きな影響を与えていると考えられています。
この人間関係の希薄化については、さまざまな統計で問題点が指摘されています。
内閣府の意識調査では、「60歳以上の高齢者の近所の人たちとの交流」で『親しくつきあっている』と回答した60代の割合は、1998年の64.4%から2014年には31.9%と半減。
「町内会、自治会への参加頻度の変化」では、1968年には49.1%が『だいたい参加する』と回答していましたが、2007年には51.5%が『参加していない』と回答。
「近所付き合いの程度」では、『ほとんど行き来しない』と回答した人の割合が、2000年の18.4%からわずか7年後の2007年には30.9%まで増加しています。
このように、人間関係の希薄化は非常に速いペースで進行しており、これは今後もさらに深刻化していくと考えられます。

病気の放置や未発見

生涯未婚率の上昇や人間関係の希薄化から起因する原因ではありますが、病気の放置やそもそも発見することができていないことも、孤独死の原因の一つです。
人間関係が希薄化すると、死後すぐに発見されないことはもちろん、普段の生活の活力も少なくなってしまうため、あらゆる面で健康的な生活をおくることが難しくなります。
家族がいたり近所付き合いがあると、体調が少し悪いとすぐに病院に行くように催促されますが、一人暮らしで周囲にも人がいなければ相談する相手もいません。
そうすると、病気を放置してしまったり、未発見のまま悪化してしまい、そのまま孤独死してしまうケースが出てきます。
日本人の多くが病死で亡くなるため、病気を放置せず、体調不良を感じなくても定期的な検診を受けるなどの対策が、孤独死を防ぐためには必要です。

経済的困窮

そして、最後の原因が経済的困窮です。
極端な話にはなりますが、家族や近所付き合いがまったく無かったとしても、老人ホームに入居することができれば、孤独死は基本的に発生しません。
しかし、老人ホームに入居したくても、経済的な理由でそれが叶わない方が多くいるのが現実です。
総務省統計局のデータによると、単身世帯の貧困率は男性で36.4%、女性で56.2%と、2~3人に1人は貧困であることがわかります。
また、家計調査年報(2016年度版)では、高齢単身世帯(無職)の収入は月額122,000円となっています。この収入では、平均で15~20万円はかかると言われている老人ホームへの入居は難しいでしょう。
もちろん老人ホームだけではなく、経済的困窮により必要な医療を受けられず、突発的な発作によって亡くなるということも考えられます。

大切な家族や親戚、友人などを孤独死から守るためにできる対策

ここまで孤独死の死因や原因をご紹介してきましたが、大切な家族や親戚、友人を孤独死から守るために今日からできる対策もあります。

  1. 老人ホームに入居する
  2. 民間の見守り・訪問サービスを活用する
  3. 自治体の見守りサービスを活用する
  4. ネットワークカメラなどのツールを活用する
  5. 健康的な生活をサポートする
  6. こまめに連絡を取り、実際に会いに行く

やはり重要なのは、最後の「こまめに連絡を取り、実際に会いに行く」です。
実際に顔をあわせることにより、健康状態の把握はもちろん、会話することで生活の活力も湧いてくるため、人間らしい健康的な生活をおくれるようになります。
ぜひ身近に高齢者がいる方は、孤独死を防ぐためにも自分でできる対策がないかを考えてみてください。
これらの孤独死対策については、『 孤独死を防ぐためにできる6つの対策 』の記事でも詳しくご紹介しています。

この記事を書いた人

鷹田 了代表

   

2008年より遺品整理・特殊清掃の業務に関わって今日までたくさんのノウハウを蓄積出来ました。2023年には清掃業界の先進国であるアメリカへ渡り、RSAで研修を受け【TCST】Trauma and Crime Scene Technician (特殊清掃)や【FSRT】Fire and Smoke Damage Restoration Technician (火災復旧)に関する『 IICRC 』の国際資格を取得しております。
記事を通じて私の想いが伝われば幸いです。

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