特殊清掃員になるには?必要な資格や免許、求人の探し方を解説
- コラム
そのため、専門的な知識と技術がかならず求められます。
これから特殊清掃員を目指す方は、どのような業務内容で、そうすれば特殊清掃員になることができるのか、知りたいはずです。また、業務の内容や経験年数、地域によって異なる給料も気になるところかと思います。
本記事では、特殊清掃員になるための必要な情報を分かりやすく解説しています。
そもそも特殊清掃員とは?
特殊清掃員は、孤独死や不審死、自殺などがあった住居や居室の清掃を行う専門職です。遺体の死亡箇所からその周辺まで、広範囲にわたる清掃を行います。
また、遺品整理や家財の搬出、処分といった作業も行います。このような特殊清掃業務は、プライバシーや感染症などの理由から、一般的な清掃業務とは異なります。
特殊清掃員の仕事内容
特殊清掃員の仕事内容は、血液や体液の除去、除菌、消臭などの特殊清掃はもちろん、孤独死の合ったお部屋の遺品整理やルームクリーニングなど、多岐にわたります。
特殊清掃員は、遺体や生き残った方々のプライバシーを保ちながら、迅速かつ丁寧に業務を遂行する必要があります。また、汚染物の清掃・処分にはリスクがともない、清掃時に危険な薬剤を取り扱うこともあるため、安全管理にも十分配慮できる必要があります。
特殊清掃の給料・年収
特殊清掃員の給料は、月給25〜30万円ほどが相場で、ボーナス(賞与)の有無は会社によって異なります。年収に換算すると300〜400万円が一般的です。
激務で大変なイメージを持っているかと思いますが、給与に関してはごく平均的な水準となっています。事実、一般的な職業と比べると、一線を画す激務ではあるのですが、社員として働くと高収入を目指せる職業ではありません。
そのため、数年の勤務を経て十分な知識とレストア技術を身に着けたら、独立する特殊清掃員も少なくありません。
特殊清掃員になるにはどうすればいい?
特殊清掃員になるには、求人を募集している特殊清掃会社に直接応募するのが一番の近道です。
人手不足の会社は多いものの、求人サイトで募集しても経験者を採用できる職種ではないため、大手求人サイトで特殊清掃員の募集をしていることは滅多にありません。
ただし、特殊清掃会社でもホームページに採用情報を載せていないケースもあります。その理由としては、そもそも求人を募集していないケースもあれば、単にページの作成ができていないだけのケースもあります。
就職したい特殊清掃会社があれば、求人情報の掲載の有無に関わらず、まずは採用について問い合わせてみることをおすすめします。積極的に採用をしている企業でなくても、熱意が十分に伝われば、面接・採用へと繋がる可能性があります。
なお、会社によっては特殊清掃のみを専業としているわけではなく、遺品整理や生前整理などと並行して行っていることも多くあります。特殊清掃に社会的意義を感じ、特殊清掃のみを行う特殊清掃員になりたい場合は、特殊清掃を専業としている会社に就職するようにしましょう。
特殊清掃員になるために必要・有利な資格や免許とは
特殊清掃員になるために必要、もしくは持っていると有利になる資格や免許についてご紹介します。
必須の資格や免許
「絶対に持っていなければ特殊清掃員にはなれない」という資格・免許は、現時点では特にありません。
ただし、ほとんどの特殊清掃会社では、自動車運転免許を持っていなければ就職することはできないでしょう。
特殊清掃は基本的には車での移動で、遺品整理をともなう作業の際には2tトラックを運転することもあります。そのため、最低でも普通自動車免許、会社によっては準中型免許や中型免許が必要となるケースもあるでしょう。
持っていると有利な国際資格や国内資格とは
特殊清掃に関する資格には、脱臭マイスターや事件現場特殊清掃士などがあり、そのほかには遺品整理士・遺品供養士など遺品整理に関する国内資格もあります。
更に清掃業界の先進国アメリカのRSAで学び、IICRC認定の国際資格もございます。代表的な資格は【TCST】Trauma and Crime Scene Technician (特殊清掃)や【FSRT】Fire and Smoke Damage Restoration Technician (火災復旧)、【WRT】Water Damage Restoration Technician(水害復旧)などがございます。アメリカでは大半の州が、このIICRC認定資格者による作業を推奨しており、非常に価値が高い国際資格です。IICRC は、米国規格協会 (ANSI) によって認定された世界標準開発組織 (SDO) であり、世界40カ国(アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス、ニュージーランド、日本、ポルト ガルなど)6,800以上の企業と63,400人のテクニシャンがIICRCから認定を受け世界で活躍しています。特にこの国際資格は試験の難易度が高く、アメリカでしか受講できず受講費も高額です。日本国内ではIICRC国内資格取得者が非常に少なく、本気度が高い特殊清掃員しか存在しないため持っていると有利な国際資格であることには間違いありません。
これらの資格を持っていると就職時に有利に働くこともあるかもしれません。しかし、これらの資格は、一般的に実務を行っている特殊清掃員向けの資格であるため、就職時に持っていなければいけないというわけではありません。
就職時に重要視されるのは、特殊清掃という職業への向き合い方や適正です。特に夏場は、暑い室内で防護服を着用するなど、体力的にもきびしい職業ですので、その仕事に堪えられるかというのも見られています。

RSA認定(火災復旧)

RSA認定(特殊清掃)
特殊清掃員の正社員とアルバイトによる待遇の違い
特殊清掃員の正社員とアルバイトでは、待遇に大きな違いがあります。正社員の場合、安定した給与や雇用が保証され、社会保険などの福利厚生も充実しています。また、キャリアアップの機会も多く、さきほどご紹介した資格の取得サポートや研修制度が整っている会社もあります。
一方、アルバイトの場合、雇用形態が非常勤であるため、給与や待遇が正社員に比べて劣ることがあります。しかし、アルバイトは勤務時間や期間が柔軟であるため、自分のライフスタイルに合わせて働くことができます。また、特殊清掃員としての経験を積み、将来的に正社員への道を目指すことも可能です。
そして、多くの特殊清掃会社では、社員が体液や血液の清掃を行うため、直接その作業をしなくていいというのもアルバイトのメリットです。メインは袋詰めされた汚染物や遺品の持ち運びで、トラックへの積み込みが主な業務になります。
ただし、時給がものすごく高いわけでもなく、一般的な時給+αであることが多いため、稼ぎたいからという理由で特殊清掃会社でアルバイトするのは、あまりメリットが大きくないかもしれません。
これらの違いを踏まえ、自分の働き方や目指すキャリアに応じて、正社員またはアルバイトを選択することが大切です。特殊清掃員として働く上で、適切な資格や免許を取得し、経験を積むことで、より良い待遇を得ることができます。
まとめ
特殊清掃員になるには、特殊清掃業務を行っている会社に応募することが、一番の近道です。求人情報は、求人サイトには出ておらず、特殊清掃業者のホームページなどで確認できます。
特殊清掃業務は、遺族や遺言書がなく、誰も相続しない孤独死の現場など、2つとして同じ現場がない職業でもあります。非常に社会的意義の高い職業ですので、そこに魅力を感じられる人にはおすすめです。